将司さんのニュージーランド高校留学体験&大学留学体験談
1年目 Evakona高校準備コースにて11年生の課程を就学
2年目 Coromandel半島にある公立高校 12年生
3年目 Coromandel半島にある公立高校 13年生・卒業
ACG 大学準備コースにて課程を就学
5年目 Auckland University of Technologyに進学
ニュージーランド高校留学を決めたきっかけを教えてください
はい。もともとラグビーをやっていて、ラグビー強豪の中高一貫校に進学しました。ただ中学時代に高校のラグビー部の様子を見て、このまま続けてもレギュラーは狭き門だな、と悟ってしまったのです。ここでラグビーを続けないなら、高校は別のところに進学しようかなと思っていたときに、人からオーストラリアかニュージーランドはどう?と冗談半分で勧められました。そのとき「ピンときた」というか、行ってみよう!という感じで決めました。
海外高校留学について、家族、学校など周りの人はどのような反応でしたか?
両親は応援してくれましたが、先生の中にはネガティブな反応の方もいました。友達は突然だったので驚いていたと思いますよ。自分が決めることだと思っていたので、周りの反応はあまり気になりませんでした。
渡航前に準備したことは何ですか?
ニュージーランド高校留学をしている知り合いがいましたし、御社(ダウンタウンデスク)のサポートもあったので、渡航を決断した中学3年生の9月くらいから半年間くらいで、健康診断やビザなど諸々の手配をしました。英語に関してはIELTSのテキストを買って、リスニングの問題を流し聞いたりしていました。
高校の授業について教えてください
2011年の3月末にニュージーランドに到着して、留学生が現地高校に入るための準備プログラムを提供している学校に入学しました。最初の1週間を一般英語コースで勉強して、その後同じ学校で、4月から1年間の高校入学準備コース(以下、準備コース)に通いました。準備コースの1年間は、午前中に英語、午後にCulture & Society や数学などの英語以外の科目を勉強しました。
2年目の2012年3月から、オークランドから車で南東に2時間半程のCoromandel半島にある公立高校のYear12 (日本の高校2年生) に編入しました。ニュージーランドの高校では必修科目以外の選択科目が豊富にあり、自分はDrama(演劇)、Performing Art Technique (照明、音響などの舞台技術)、 Outdoor(カヤック、スノーボード、ロッククライミングなどの屋外スポーツ)などのクラスを取っていました。数学、物理、歴史などのいわゆる学科科目だけではく、生徒の興味によって選択できるクラスの幅が広いところがいいところだと思います。
ニュージーランドの学校には上下関係の概念があまりありません。日本にいたときは、体育着やバッジの色で学年を意識することが多かったですが、ニュージーランドの高校ではそういった違いを感じることがなく、誰とでも気軽にコミュニケーション取れる環境でした。そういうのびのびとした環境が自分には合っていたと思います。
英語はどのように勉強しましたか?
学校の英語のクラス、これは現地学生も選択できるクラスでしたが、その授業と、ホストマザーが教育熱心なタイプだったので、ホームステイ生活を通じて英語力を伸ばしました。例えば、図書館で借りてきた本を読んだり、ホストマザーが夕飯の支度をしている間にテレビのニュースを見て、夕食を食べながらそのニュースについて話しつつ自分が理解できていたかを確認する、などしていました。
ニュージーランドにきて2ヶ月くらい経ったころ、ホストファミリーと一緒にニュープリマスに旅行にいったんですね。ネットもない、日本人どころかアジア人もいないみたいな田舎だったので、自然と英語漬けになりました。3日目くらいからみんなが話している英語が音楽のようにスッと入ってきて、言ってることがだいたい分かるな、という不思議な感覚がありました。今思うと、あれが自分にとっての英語のブレークスルー体験だったのかもしれませんね。
1年後に日本に帰国したとき、母親に日本語がオカシイと指摘されたことがありました。英語力が上がった代わりに使う機会の少ない日本語力が落ちたのだと思います。ただこの頃は、英語で書かれたものより、日本語で書かれた看板やメニューの方が理解しやすくて「まだまだだな」と感じたことを覚えています。
高校生活の1日のだいたいのスケジュールを教えてください
学校は平日の午前9時から午後3時まで。ホームステイの門限が季節によって違いますが、午後5時から6時だったので、その頃までに家に帰って、夕方からはホストファミリーとの団欒時間でした。
放課後はどのように過ごしていましたか?
1年目の準備コースのときから高校のラグビーチームに所属していて、週に2、3日練習がありました。ニュージーランドの高校の部活動は「楽しむ」ことを大切にしているように感じます。また「褒めて伸ばす」指導スタイルで、叱られたあとも必ずフォローがありましたね。理由をきちんと説明してくれるので、何故叱られたのか自分でも納得できたのだと思います。日本にいたときは、規律や試合の勝敗を重視する雰囲気だったので、ニュージーランドと日本の部活に対する考え方や、指導方法の違いを肌で感じました。ラグビーを通じて、両国の国民性を感じることができたことは、貴重な経験だと思います。 また、部活のない日は友達の家に遊びにいったり、友達が釣りをしに行くのに付いていったりなどしていました。
宿題は出ましたか?
宿題はありましたが、量も難易度もそれほどではなかったかな、と思います。あと、自分は実技系のクラスを多く選択していたので、ペーパーの宿題が少なかった、ということもありますね。どのクラスを選ぶかによって宿題の量は変わると思います。
学校以外での勉強はしていましたか?
Drama (演劇) のクラスを取っていたので、台詞を覚えたり、本を読んだりしていました。
休日はどのように過ごしてしましたか?
図書館の無料Wi-Fiでゲームしたり動画を見たり、友達とスカッシュをしたり、あとはラグビー部の練習の日もありました。チームみんなでマイクロバスに揺られて、他の高校とラグビーの練習試合をしに遠征することもありました。
ホストファミリーとはどのようにコミュニケーションを取っていましたか?
最初の頃は電子辞書を駆使してやりとりしていました。ホストファミリーは、分からない単語があるときは、その単語の意味を他の言葉を使って説明してくれました。例えば、「りんご」という単語を知らない場合には、「赤い」「丸い」「甘い」「果物」という感じで、連想ゲームのように、その単語を別の英語で表現してくれていました。ホストファミリーの協力もあって、1年目が終わる頃には電子辞書無しでコミュニケーションとれるようになりました。
ホストファミリーとのいちばん印象に残っている思い出を教えてください
うーん、なんでしょう。これがいちばん、という特別なエピソードが思い浮かばないですね(笑)それよりも、一緒に過ごした日常が自分にとってはかけがえのない大切な思い出になっています。高校3年間お世話になったので本当に家族という感じですね。オークランドに引っ越すときは、ホストマザーがすごく寂しがってくれました。今でも近況報告したり良い関係が続いていますよ。
高校生活を振り返って、いちばん印象に残っていることを教えてください
そうですね。いちばんはラグビーの学校代表選手に選出されたことです。ニュージーランド国内の高校から選出された選手が、エリア別にチームを作って試合をする、という機会がありました。学校代表に選ばれたというだけでもテンションがあがる話なのに、なんと6年ぶりに自分たちのチームNZ Barbariansが対戦相手のNZ Harlequinsに勝ったんです!!しかも自分が勝ち試合のトライを決めたので、地元紙にも写真付きで取り上げてもらいました。達成感がありましたし、日本とニュージーランドの家族が喜んでくれて、がんばって良かったなぁと思いました。ラグビーがきっかけで日本の中高一貫校の進学をやめた自分が、ラグビーの国・ニュージーランドでラグビーを続けて結果も残せた、というのは今考えると不思議ですよね。
現在、通っている大学・学部・専攻を教えてください
Auckland University of Technology (AUT) の Bachelor of International Hospitality Managementで学んでいます。
大学・学部・専攻に決めた理由を教えてください
将来、人と接する仕事に就こうと思っていたので、Hospitalityを選びました。実家が自営業で、親が仕事している様子を見て育ったので、そういう影響もあったのかなと思います。
大学の入学試験・入学条件は難しかったですか?具体的にどんな準備をされましたか?
現地高校卒業後はACGのファンデーションコースに1年半通いました。ちょっとした手違いで、大学入学に必要な必修科目を高校で取り漏れてることが発覚して(笑)卒業後すぐに大学に入学することができなかったんです。ファンデーションコースは人によって必要な通学期間が異なります。ACGのテストをパスすると晴れて大学入学となります。テストは確か、ケーススタディーレポート(ライティング)とインタビュー(面接)だったと思います。具体的な内容はお答えできないですが、IELTS5.5以上相当の内容です。
大学の授業の様子、進め方を教えてください
基本的には先生が講義して、学生が質問したり、先生からの質問に答えたり。日本の大学の授業風景がよくわからないのですが、そんなに大きな違いはないのかな、と思います。グループや個人でのプレゼンテーションの機会もあります。また授業にはパソコンやタブレットが必須ですね。教材はTEXTBOOKや、先生が用意してくれるプリントなどです。 ・課題はありますか?(量、頻度、内容 など) はい、もちろん(笑) クラスによって量は違いますね。1500~4000字レポートが3本くらいですね。レポートの評価基準にSimilarity(類似性)という項目があるので、インターネットで調べた内容を丸写しするようなことをしてもパスできません。きちんと自分で勉強して考えて必要がある、といういことだと思います。
※ニュージーランドの大学ではWEB専用ページにレポートを提出するのが一般的です。インターネット上の何百億(またはそれ以上)の同じ分野のレポートから似ている文章を検知して、Similarity(類似性)を自動計算するシステムが導入されています。
大学で一番面白いと思った授業について教えてください
ホスピタリティにおける心理学のクラスが面白かったですね。購買意欲の仕組みを学術的に紐解いたりするんですけど、経験的に知っていることと、英語で説明される概念が一致する瞬間があるんです。合点がいくというか「おおそういうことか」ってすごく納得できる。そういう体験ができるトピックは面白いと感じます。 ・いちばん大変だった授業について教えてください Room divisionというクラスが大変でした。。。授業の内容が、というよりはテストが難しかったです。15個のトピックから10個を選択してショートレポートを書くんですけど、2時間で10トピックはなかなか厳しかったですね。
授業がある日の1日のだいたいのスケジュールを教えてください
時間はクラスによって変わりますが、1クラス1~3時間です。朝8時から始まる授業もありますし、午後2時くらいからの授業もあります。同じクラスが週に2回あることもあったり。バイトや生活も含めて、履修計画は重要です。
大学の雰囲気はいかがですか?
移民都市なので学生の国籍は多様だと思います。留学生は出身国ごとのグループでいることが多いように思います。施設は充実していますよ。図書館、学生ラウンジ、カフェ、フードコートなどが利用できて、フードコートでは6ドルくらいでランチが食べられます。
授業がない日はどのようにすごしていますか?
大学の課題とアルバイトです。。。レポートやプレゼンテーションの準備などに時間に充てています。
アルバイトについて
日本食レストランで3年くらいホールのバイトをしてます。求人サイトに募集があって、CV書いて、インタビューして、という一般的なプロセスでしたね。昼間は大学の授業があるので、夜シフトで入れる仕事を探していたという点と、専攻がホスピタリティなので接客業がいいなと思って決めました。
大学のサークル活動について
最近発足したんですが、大学で日本人留学生をサポートする団体を仲間と一緒に立ち上げました。大学生活のサポートや、同じ日本人だから共感できる悩みなどを相談できる受け皿の役割を担っています。日本人の留学生を増やしたい大学側にもメリットがあるので、大学から正式な団体として承認も受けています。 だからぜひ安心してAUTに入学してください(笑)
日本が恋しくなることはありますか?ある場合それはどんなときですか?
フィティアンガにいるときは日本食が恋しくなるときがありましたね。オークランドは日本食レストランもありますし、自分で料理もできるので日本を恋しく感じることはあまりないです。
日本にあってNZにないものは何ですか?
ボウリング、ゲームセンター、パチンコ、などの娯楽。エンターテイメント系の施設は日本の方が選択肢が多いと思います。
NZにあって日本にないものは何ですか?
都心の自然、心の余裕、あとはBurger Fuel(ニュージーランド生まれのハンバーガーショップ)ですかね。
今後の予定について教えてください
まずは大学を卒業すること。卒業後はニュージーランドで就職したいと考えています。今ホスピタリティを学んでいるのでホテルが第一志望です。これまで学んできたことを活かして、ニュージーランドの観光業界に貢献できたらいいなと思います。
ダウンタウンデスクの生活サポートを利用している感想をお願いします!
高校時代からサポートしてもらっていて、何かあったときに話に来る場所があることは心強いです。あと荷物預かりのサービスはありがたいですね。
ニュージーランドの高校留学、大学留学を目指す方にアドバイスをお願いします!!
オセアニア地域はヨーロッパや北米と比べると治安が良いですし、安心して生活できると思います。英語の訛りを気にされる方もいるようですが、ニュージーランドは基本的にイギリス英語なので、そこは気にしなくていいのでは、と個人的には思います。あと、オークランドの話になってしまいますが、都会感と田舎感のバランスが良いところだと思います。また移民都市で人種が暮らしているので、国際的な空気が感じられます。自分はこれまで人種差別にあったことはないですね。もし少しでもニュージーランドに来てみたい気持ちがあるのならぜひ来て欲しいなと思います。