移住コラム第16回:NZのコーヒー文化

ニュージーランドって元英国連邦だったので宗主国であるイギリス文化の影響を色濃く受けてるんですが、例のあの「紅茶文化」だけはなぜか思ったほど浸透してません。
いや、当然紅茶は売ってるし夕食は「tea」って言う人いるし、全然ないってわけじゃないんですよ。

でも、圧倒的にコーヒー党が多いんです。

僕もロンドンに9ヶ月滞在した時に紅茶のおいしさに一旦目覚めはしましたが、なんだかんだ言って一日に3杯はコーヒーを飲まないと手が震えるくらいのカフェイン中毒です。オークランドはCafeも多く、僕にとってはとても心地いい街なんです。

そんなコーヒーですが、ニュージーランド(正確にはオーストラリアも同じ)独自の進化を遂げたと思われる種類があり、最初カフェに入ってオーダーする時、何のことか意味不明でちょっとあせりました。日本で馴染みなかった以下の3つです。

 

●Flat White

カフェラテやカプチーノもメニューにあるとこも多いんですが、ニュージーランドでミルク入りコーヒーといえばやっぱりこれ。エスプレッソにスチームミルクを入れて作ります。

店によってエスプレッソの量が違いますが、エスプレッソが多い店だとクリーミーなミルクの中にずっしりと濃いエスプレッソの香りがして僕的にはすごくテイストです。

カフェラテやカプチーノもエスプレッソを使いますが、作り方は微妙に違うみたいです。製法の違いにはあまり詳しくありませんが、やっぱりエスプレッソがFlat Whiteの方が濃いように感じます。あと、ミルクがよりフンワリしてるかな?という気もします。

この写真は地元のカフェで取ったものですが、ニュージーランドのシンボルであるSilver Fern(シダ植物の一種)がラテ・アートされててかなりオシャレです!

 

●Short Black

これはエスプレッソの別名です。中身は同じでオセアニアでは名前が違うというだけですが、この名前は次の「Long Black」に深く関係しています。

 

●Long Black

ニュージーランドのカフェで「ブラック・コーヒー」と頼んでもなんとか通じるとは思いますが、メニューに「Black Coffee」と書かれていることはまずありません。もちろん日本風の「アメリカン・コーヒー」は通じもしませんが。
通常これにあたるのは「Long Black」と呼ばれる種類です。

エスプレッソをお湯で薄めたものをこう呼びますが、どう考えても日本で頼む「ブラック」よりはるかに濃いんです。カウンターでお湯(hot water)を別にもらって、自分で調節しながら飲むことをお勧めします。

実はこれに似たコーヒーは移住前マレーシアに滞在していた時にも頻繁に飲んでいました。「Americano」と呼ばれていて、元々はヨーロッパでアメリカ人がエスプレッソをお湯で薄めたことからそう名付けられたみたいです。イタリア系のカフェだとこっちでもたまにメニューにこの名前で載ってるのを見ることがあります。

じゃーLong BlackとAmericanoの違いは何か?というと非常に微妙なんですが、どうやらエスプレッソを後に入れるのがLong Blackで、お湯を後に入れるのがAmericano、ということらしいです。Long Blackはエスプレッソを後に入れるので、泡(form)が多く残ります。そう言われてみると確かにAmericanoは泡っぽくなかった記憶がありますね。でも、店によってはカップにエスプレッソだけ入っててお湯を別にくれるところもあるので、そんなに厳密な定義はないのかもしれません。

あと、お店のコーヒーは上記の3つ全てエスプレッソ絡みなのでエスプレッソメーカーを使ってて関係ありませんが、家で煎れるコーヒーでも以下の違いがありました。

 

●Plunger

日本ではペーパードリップ式のコーヒーメーカーを使っていて、渡航直後にこちらで同じタイプのものを探そうとしたんですが全然見つかりませんでした。代わりにあったのがこのタイプ。

French Press」「Coffee Press」」など、他にもいくつか呼び名があります。

内蓋のようになった部分に金属やプラスチックのフィルターが付いていて、漂うコーヒーの粉を下に押し下げて上澄みだけを注ぎます。でも、フィルターって網のような感じなので細かい粉はどうしても濾せないんですよね。カップの底に粉が溜まってるので最後まで飲み干せませんが、最近はもう慣れてきました。

 

イギリスではメジャーのようですが、アメリカではどうなんでしょうね?

 

(続く)