移住コラム第24回:オークランド職探し(計画編)

2012年10月11日に待ちに待ったオープンワークビザを手に入れて就職活動を開始したわけですが、正直最初から予想以上に苦労しました。ちょうどニュージーランドでは夏真っ盛りということもありクリスマス前から1月後半までエージェントも応募先の会社も長期休暇を取っている非常に多く、年末年始で応募しておいたエージェントに電話をかけても繋がらない、繋がっても「クライアントの担当者がまだ休暇中」という感じで全然動きがなかったんです。

ただ、卒業前に訪問したリクルートエージェントでの感触から「全然簡単ではないぞ」、と心構えはしていたので、最初の数ヶ月はちょうど動きが鈍い時期ということもあり、比較的計画を練ったり準備したりに時間を割きました。

少し長くなりそうなので数回に分けて書きますね。

 

【計画編】

何か売って事業を成功させる時でも「誰かに何か売って儲けるぞー!」という掛け声だけでは何も始まりません。。。何を誰に対して売っていくのかある程度絞り込みが必要です。

ニュージーランドで就職活動を始めるにあたり、どのような考慮点があるのか振り返って洗い出してみました。

 

●職種決定

これは「この専門学校行ったんだからこの職種に決まってるじゃん!」というように検討の余地がない人の方が断然多いと思いますが、僕にとっては非常に重要な問題でした。

まず今回の就職活動は全て「技能移民(Skilled Immigrant)としての永住権取得」のためのものです。そうなると、ワークパーミット取得のためにプログラミングを専攻しましたが、プログラマーとして仮に就職できても過去の職歴がプログラマーではないので永住権の職歴ポイントを失ってしまうのです。なので、プログラマーとかディベロッパーという職種は×

そうなると過去の肩書きであるシステムエンジニア(SE)、コンサルタント、ビジネスアナリスト(BA)、プロジェクトマネージャー(PM)のような職種になるんですが、この内「システムエンジニア(SE)」というポジション名は日本だけのもので、海外ではほとんど耳にすることがありません。多分「アナリスト・プログラマー」というポジションが一番近いと思いますが、どちらかというとプログラマー寄りなのでプログラミング言語のスキル(=ない)が求められます。また、プロジェクトマネージャー(PM)は直近やっていた仕事ですが、コミュニケーション能力という意味でこの中では一番ハードルが高いポジションであり、一番ニュージーランドでの経験(=ない)を求められる職種です。

なので、最初の頃はビジネスアナリスト(BA)BIコンサルタントという職種に絞って応募することにしました。PMへの応募もしてはいたのですが、できれば少し腰を据えて業務なりシステムなりをじっくり熟知できるのが個人的にも理想だったので。

 

●経験レベル

ITの募集ではよく見かけるんですが、「Developer」といった職種の前に「Senior」とか「Intermediate」とか付いていることがあります。これはその実務での経験レベルを表すもので、明確な線を引けるわけではないですが大体経験の少ない方から

・Graduate Position:学校で専攻しただけで実務経験なし
・Entry Level:上と大差なし、ごく初心者
・Junior:1~2年
・Intermediate:3~4年
・Senior:5年以上

みたいな感じです。当然経験レベルが高い程、年収も増えてきます。

では年収の部分で妥協して自分の実際の経験レベルよりも低いポジションに応募すればいいのかというと必ずしもそうとは限らず、経験があり過ぎてOverqualified(優秀すぎる)という理由で落されることもあります。

僕はこの中だとIntermediate~Seniorあたりをターゲットにしていました。

 

●ロケーション決定

きっとニュージーランドでのITという業種だとほとんどのチャンスはオークランド、ウェリントン、クライストチャーチの3都市に集中しているはずです。オンラインでジョブサーチしていると人口比率上は「ウェリントン>オークランド」の印象でした(募集の絶対数は当然オークランド>ウェリントン)。クライストチャーチも政府から復興のための予算がかなり落ちているらしく、インフラやシステム管理の募集はかなりあったと記憶しています。

永住権が最優先なのでニュージーランド国内であればどこであろうと食らいついていかないといけないのはわかってはいたんですが、息子の学校のこととかその他諸々の事情により当面はオークランド限定で活動することにしました。
ビザの残存期間が短くなってきて焦りだしたら方針転換することも視野に入れつつ(そうならないことを祈りつつ)。

ちなみに、オークランド以外で就職した場合は永住権申請時に10ポイントが加算されます(2013年7月現在)。

 

●年収

「永住権取得が最優先なんだから年収なんて二の次!」と口で言うのは簡単ですが、日本での経験年数が長ければ長いほどこの割り切りは難しくなります。「Skilled Immigrant」としてこの国に来ているのだから、外国人だからという理由だけで同じ能力のキウィより遥かに安い給料で雇われることを甘んじて受け入れるのはフェアではない!とは思うのですが、小さい会社だと足元を見るところも現実問題あります。

この点を考えるにあたり、まずやらなければならないのが日本基準で考えるのを止めることです。この都市別平均年収ランキングを見るとわかるように、少し古い情報ではありますが、なんとオークランドの年収は東京の半分くらいなのです。物価がそれ程安くないのでなぜキウィはこの平均年収で生活していけるのかいつも不思議なんですが、日本でもらっていたサラリーをNZ$換算した数字にこだわるのははっきり言って現実的ではありません。

次に重要なのが、マーケットの相場観を知ることです。例えばITだとあるエージェントの会社が毎年発行しているこんなレポートがあります。職種毎の平均年収をどこまで重視するかは個人の自由ですが、少なくとも判断材料の一つとして入手しておくことに害はないはずです。

また、いざ永住権を申請した時にも、イミグレオフィサーは「マーケットレートを著しく下回るサラリーではないか?」をチェックしています。もし安すぎる場合は永住権申請の処理過程で大きな問題になることもあり得るので、「過度な妥協も危険である」という点は心に留めておいてください。

 

●雇用形態

こちらでポジションの募集がある時は、必ず「Permanent(正社員)」か「Contract(契約社員)」かが明記されています。契約社員の方は一般的に時給ベース、または日給ベースで、フルに働けば正社員に比べて非常に高いサラリーを手にすることができます。また、エージェントの話では正社員よりも契約社員の方がオファーをもらいやすい、ということでした。

あるコンピューター言語のしっかりしたスキルを持つプログラマーなんかだと事実そうかもしれません。BAやコンサルタントだとその応募に書かれているドンピシャのソフトウェアを直近扱っていたとかでないと即戦力にならないので、期間の短い契約社員の方が逆に難しく感じた、というのが正直なところです。

ここで一つ念頭に置いておかなければならないのが、契約社員のステータスで永住権を申請・取得するのは相当難しいということです。詳しくは移民局のサイトなどでご自分で確認していただきたいのですが、契約社員でSkilled Employmentのポイントを得るためには様々な条件が付いています。「契約が切れてもすぐ次の契約を結べること」とかどうやって証明するのか見当もつかないので、やっぱり永住権申請時には正社員のポジションについていることが望ましいでしょう。

ただ、ビザの残存期間によってはCVに「ニュージーランドの職務経験」として記載できて強力な武器になり得るので、例えばビザ取得3ヶ月後に期間6ヶ月の契約社員として働き、残存期間が3ヶ月になった段階でもう一度就職活動することを覚悟して契約社員で経験積むという選択肢もありだと思います。こちらで専門学校に行ってからだと最後の職歴から確実に1年以上ブランクが空くので、あまりこのブランクを長くしたくないという場合も有効だと思います。

計画編は以上です。次回は「準備編」と称して、実際にポジションに応募するまでにやっておくべきことをまとめたいと思います。

 

(続く)