移住コラム第23回:ワークビザ&学生ビザ申請手続

卒業式の日(2012年9月28日)にDiplomaと成績証明をコピーしてパスポートに添えてGraduate Job Search Visa(現在の名称:Post-study work visa (open))を申請してからほぼ2週間、とうとう10月11日付けのビザが貼られたパスポートが帰ってきました。実はTerm 1でクラスが一緒だったフィリピン人のクラスメートはたった3日で処理されたって言ってたので2週間は少し予想以上に時間がかかったわけですが、同時に申請した他のクラスメートは僕から更に2週間程要した人もいたので、担当するイミグレのオフィサーによって結構幅があるようです。学生ビザは卒業後1ヶ月まで滞在できますが、万が一ワークビザの発給が学生ビザの有効期限を超えてしまいそうになったらイミグレにその旨言ってテンポラリーの滞在許可証を発行してもらいましょう。

あと、イミグレのサイトでオンラインユーザーアカウントを作っておくと、申請が受理された後サポートセンターへの電話1本で申請書がそのアカウントに紐付けられ、以降はオンラインで処理状況が把握できるようになります。このアカウントは後々永住権のEOIを申請する際にも使うものなので、早いうちに作っておきましょう。こちらで申請するワークビザだけでなく日本を出国する前に取得する学生ビザやビジタービザにも使えるので便利ですよ。

さてこの卒業後1ヶ月という期間、普通に申請すればまず問題ないはずですが、実はめちゃくちゃ注意してもらいたいことがあります。

無犯罪証明書健康診断書です。

まず無犯罪証明書(Police Certificate)ですが、NZでの滞在が通算で2年を超えることになる場合はワークビザ申請時に提出する必要があります。日本領事館経由で本籍地の所轄警察署に申請できて手数料自体は無料、でも、なんと届くまでに2ヶ月~3ヶ月かかります!

僕は入国してから10ヶ月、ワークビザが1年、合計しても2年に満たないため今回は必要ありませんでしたが、前回書いた通りLevel 6以下のコースでこのビザを取得するためには今後2年間の履修が必要になるし、専門学校の前に語学学校を経由する人は「語学学校+専門学校+1年のオープンワーク」で2年を超える人も出てくると思います。

前回のビザ申請時(学生ビザ取得時)に無犯罪証明書を既に提出している場合は不要ですが、そうでない方は是非お早めに(ただし過去6ヶ月以内に取得したものしか有効ではないので早めに取りすぎても×)。似たような境遇の人でこれのためにワークビザ申請前に一時帰国を余儀なくされた知り合いが実際います。

なお、無犯罪証明書の領事館での申請には内容を埋めたビザ申請書(添付書類等は不要)が必要になります。

 

次に健康診断書(Medical Certificate)です。これも無犯罪証明書と同じように基準があり、NZでの滞在が通算で1年を超えることになる場合はワークビザ申請時に提出する必要あり、ただし前回ビザ申請で提出済であれば不要、といった感じです。僕と家族は全員前回ビザ申請時に提出済だったので今回は不要でした。

指定医で受診しますが、通常は1~2週間で結果が出ます。でも、何か問題が見つかって再検査とかになるともっと時間がかかるので、こちらも卒業が近くなったら要・不要を判断してスケジュールに組み込んでおきましょう。

 

この2点、どちらの基準も変更される可能性があるので、ここに書かれた情報に頼らずその時点での最新の情報を自分で確認するようにしてください。特に健康診断書は滞在期間によってFull Medical CheckなのかTB(結核)のためのChest X-rayだけなのか等の詳細なルールがありますので、自分や家族の申請がどれに当てはまるかを細かくチェックしましょう。

 

さて、ここからは僕のように家族持ちの方だけに関係してくる情報です。

 

まずは配偶者のワークビザです。

僕が1年間のワークビザの配給を受ける権利があるということは、僕の配偶者(妻)も原則同じ期間のワークビザを申請することができます。この配偶者ビザもオープン(雇用主に縛られない)なのでどんな仕事にも就けますし、個人事業主(sole traderと呼ばれます)として自分のビジネスを起こすことさえできます。うちは僕のワークビザが交付された後にタイミングをずらして妻のワークビザを申請しましたが、同時に申請することも可能です。

申請自体はINZ 1198(Partnership-Based Temporary Visa Application)とINZ 1146(Form for Partners Supporting Partnership-Based Temporary Entry Applications)という2つの申請書を記載して提出するだけですが、ちょっとトリッキーなのがパートナーシップ(通常は婚姻関係)を証明する添付書類です。色々あるんですが「これがあれば十分」という明確な説明がイミグレからも示されていません。なので、ここではうちの妻のビザはこれでおりました、という実例を記しておきます。他の方もこれで大丈夫、という保証はできませんので予めご了承ください。

英語の婚姻証明書(Marriage Certificate)

戸籍謄本があれば日本領事館で3日程度、NZ$20くらいで英語で作成してくれます。ただし、戸籍謄本自体が3ヶ月以内に発行されたものでないとならないので、日本を出国する前に役所で取ってきました、みたいな古いものだとダメです。親族に代理取得してもらって郵送をお願いするとか、案外時間がかかるのでご注意ください。

同じ住所の証明

パートナー同士が同じ住所で生活を共にしていることを証明できるもので、うちは偶然にも英語で同じ時期それぞれに送られてきた東京の住所への郵便物を保管しており、そのコピーを一対提出しました。まだ日本を出国されていない方、英語の郵便物があるようなら今のうちに保管しておきましょう。

あと、ニュージーランドに越してきてからの郵便物はたくさんあるのでそこからも同じ時期に送られてきたものをもう一対見繕いました。

共同名義の自動車保険

ニュージーランドで車を買った時にかけた自動車保険は夫婦両方をカバーする形になっているので、このPolicyのコピーを提出しました。何か資産を共有していることはパートナーシップのエビデンスにカウントされます。

二人の写った写真

息子が小さいころ東京で3人で取った写真、オークランドに来てから3人で取った写真を2枚提出しました。デジカメってホント便利ですね。裏にいつ撮影した写真かがわかるように日付を書き込みました。

銀行残高証明

パートナーのワークビザには必要ないはずですが、一応妻名義の口座に十分な残高あるよ、の証明として。ジョイントアカウント(共同名義口座)であれば生計を一にしていることの証明にもなるはずです。

サポートレター

ワークビザホルダーである僕の名前で、妻といつ結婚していつ子供が生まれて何年ずっと住んでてニュージーランドにも一緒に来て十分な資金もあるから国の負担にはならないことを僕が保証します、みたいな一筆にサインしたものを適当に作りました。

 

次は子供の学生ビザです。

まず僕がオープンワークビザを手に入れると、扶養している息子はドメスティック・スチューデント扱いになります。公立校のPrimary、Secondary Schoolだと学費がタダになるのです!

でも、学生ビザは改めて取らなければなりません。そして、その学生ビザの有効期限は僕のワークビザと同じ期間なので2013年10月11日までとなります。でも、それまでに仕事が見つかってワークビザを延長するか下手すると永住権を手にしてるかもしれないので、特に問題はないはずです(パパの就職次第)。

出国前のインターナショナルの学生ビザ取得は入学予定の学校からのレターや授業料の払込みレシートや色々必要だったんですが、ドメスティックの必要書類は超簡単です。

英語の出生証明書

上述の婚姻証明書と全く同じ、戸籍謄本から起こす英語の証明書なので日本領事館へGO!

扶養者のワークビザ(コピー)

前回は妻がガーディアンでしたが、今回は僕が扶養者になるので僕のパスポート詳細ページとワークビザのコピー(下記JP Certified)を添付しました。

 

あともう一つ、お役立ち情報を一つ。

学校のDiplomaとか提出書類で原本を出したくないものがありますよね?ニュージーランドではJustices of the Peace(JPという慈善団体が図書館などでCertified Copy(権威ある人が原本と見比べて一致していることを確認した写し)であることを証明する無料サービスがあります。これでスタンプとサインをしてもらった書類は原本と同等になるので、是非利用してみてください。

 

最後にくどく言いますが、ここに書いた情報は僕が準備した書類とそのタイムラインをリストしているだけで、今後皆さんがワークビザを取得される時に同じである保証はありません。特に何か書類が間に合わない!という危険があったり用意する書類に不安がある場合には、素直に移民弁護士などの専門家に相談することをオススメします。最悪のケースになって一時帰国せざるを得なくなった場合の往復渡航費のことを考えると相談料の方が圧倒的に安かった、なんてこともありますので。

 

こうしてオープンワークを手に入れて本格的に就職活動開始となるわけですが、ここまでは計画に沿ってやれば時間とお金はかかっても誰でも必ず到着できるところです。本当の試練はこの後に待っていました。。。

 

(続く)