移住コラム第36回:移住体験記コラム最終回

永住権(正確にはResident Visa:居住権)が移民局で承認されてから仕事が忙しくなってしまい1年も経ってしまいましたが、延ばし延ばしにしていた「永住権取得した後にやること」も一通り終わったのでそれをリストアップしてこの移住体験記コラムは最終回にしたいと思います。

 

今は紙になってるのかどうなってるか知らないんですが、僕のビザはシールがパスポートに貼られてきたのでお約束ということで一応晒しておきます。まーこれがないと〆るものも〆らないので。

じゃじゃじゃん。

右に「Expiry date travel」という項目があってビザが発行された日から2年後が記されていますが、この2年間のそれぞれの1年毎に184日以上ニュージーランド国内に居住していれば晴れて永住権(Permanent Resident Visa)がもらえます。あれからもう1年ってことは、残りあと1年。やっぱり忙しくしてるとあっという間に感じますね。

 

それでは、今後僕と同じようにニュージーランド居住者になる方達のために『レジデント・ビザもらったらやっとくこと』を列挙しておきますよっと。

 

【在留届変更】

移住後にすること一覧」で書いたように海外長期滞在では外務省に在留届を出す必要があります。最初登録する時に渡航目的を「長期滞在」にした人はここから「永住」に変えておきましょう。あ、僕は最初から「永住」にしてました(笑)

 

【Kiwisaver】

ニュージーランドでは居住者のステータスになるとKiwisaverという401Kのような個人年金に加入することができます。税引き後の手取り給与から加入者が選んだ割合(3%、4%、8%のいずれか)が天引きされ、IRD(税務署)を通してこれまた加入者が指定した年金運用機関にプール・運用されていく仕組みです。開始時に国から$1,000のスタートアップボーナスがそこに振り込まれ、更に毎年最大で$500強を国が負担してくれます。

雇用主も従業員がKiwisaverに加入する場合は給与の3%(正確にはここから税率分の税金が差し引かれますが)を負担する義務があります。

うちのかみさんは個人事業主ですが主婦の場合も同じで配偶者も加入可能です。その場合はいつでもいくらでも拠出できるしスタートアップ時や1年毎の国からの補助も同様に受けることができます。18歳未満の子供も加入できますが、スタートアップの$1,000以外の国からの補助と雇用主の拠出金は18歳までもらえません。

引き出しできるのは65歳からで最低5年間加入していることが条件ですが、最初の家を買う時にも引き出すことができるので余裕があれば入っておくことをオススメします。

 

【GP登録】

まず最初に訂正しておくことがあります。

このコラムの「移住後にすること一覧」の医療保険の最初で「ニュージーランドでは永住権を取ると公的医療費がタダ」と説明していましたが、厳密には「publicの病院での医療費はタダ」と書くべきでした。というのも、ニュージーランドにはGP(General Practitioner)という制度があり、通常はこのGPで診てもらった後に必要であればSP(Specialist Practitioner)や総合病院(Hospital)を紹介してもらうのですが、それぞれ以下のようになっています。

  • GP:全て有料(数十ドル)、時間外や休日は$10前後割り増し。
  • SP:病院勤務の専門医以外の小さなクリニックはほとんどがprivate。
  • Hospital:publicとprivate両方あり。publicであれば検査や薬も原則無料(薬局で処方薬をもらう場合は多分有料)。

この最初のGPですが、レジデント(及び2年以上のワークビザ保持者)になるとかかりつけのところに登録(enroll)しておくことができ、そうなると費用が少し安くなります。

なお、民間の医療保険に入っておけばprivateのSPや病院でも保険でカバーされる(保障内容は加入するプランによります)ので、Unicareのような海外旅行傷害保険の加入資格を失うレジデント・ビザ取得を機に加入するかどうか検討しておくのもよいでしょう。

 

【選挙人登録】

レジデント・ビザを手にすると晴れてニュージーランドの選挙権を得られるわけですが、実は選挙人として登録するのは権利ではなく義務です(投票するかどうかは任意)。こちらから地域のelectorate(選挙区)に登録しておいてください。

 

 

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ということで、この移住体験コラムはこれで一区切りとしたいと思います。掲載が始まった当初はまだジョブサーチビザでの就職活動で必死こいていた状況だったので、このコラムがこういう結末になるというのは自分でも全く予想外の展開でした。やっぱり2011年暮れに視察旅行して専門学校生になる決断をした時と、こちらで就職先が見つかった時が大きなターニングポイントだったと思います。

 

ニュージーランドに限りませんが移住に際しての最大の難関はその国で働き口を見つけることで、そのためにはまず働けるビザを手に入れること、これに尽きると思います。希少スキルや語学力が十二分にあればビジターで入ってワークビザをサポートしてくれるとこを探すのも可能性ゼロではありませんが、僕にはそこまでのスキルと自信がなかったので時間とお金は多少かかっても確実にワークビザが手に入る専門学校卒業の道を選びました。最善の選択だったと今でも確信しているので、もし就職できなくて帰国することになったとしても悔いはなかったでしょう。どんな結果でも全ては経験として返ってくるので、チャレンジに踏み切った時点で負けはなかったんだと思います。

 

途中業務多忙で連載が間延びしてしまった時期もありましたが、最後まで応援してくれた皆さん、興味をもって読んでくれた読者の方々、またここで自分の体験を掲載する機会を与えてくださったDowntown Deskさんにこの場を借りて深くお礼申し上げます。このコラムがこれからニュージーランド移住を考える方の背中を少しでも押すことができたなら本当に嬉しく思います。

 

それでは、次はニュージーランドで実際にお会しましょう!

 

(完)

 

 

 

Wannabeさんの英語コラムは続きますよ~!!

次回をお楽しみに!!