移住コラム第32回:不本意ながら、、、ワークビザ更新

前回分のアップ後から公私ともに突然忙しくなって移住コラム、英語コラム共に随分間が空いてしまいました。

仕事がプロジェクトベースで本番稼働を控えてもう少しタイトな時期が続きそうなので、以前のペースに戻すのにはもう少し時間がかかりそうですが細く長く続けていきたいと思います。



実は前回の移住コラムで書いた永住権申請書類を提出した直後に急な身内の不幸があってちょうど1週間ほど、なんと1年9ヶ月ぶりに家族で日本へ一時帰国してました。妻と息子は今年のゴールデンウィークに僕をNZに残して一度1週間帰国しているんですが、僕自身は2011年12月に永住権を夢見て学生ビザを手にこの地に足を踏み入れて以来の日本でした。

 

よく海外に住んでいる人から「日本を離れると改めて日本の良さがわかる」と聞きますが、僕も今回帰国して本当にその通りだと実感しました。衣料や日用品の類はオークランドで見かけることさえないようなものがずっと安く手に入るし、食べ物のバラエティーも選ぶのに迷うくらいに豊富で味のレベルも高く、お陰で帰りのスーツケースは重量制限ギリギリになるほどにパンパン。

トイレのドアを開けたらセンサーで蓋が勝手に空く便器の動画を取ってこっちの同僚に見せたらみんないたく感動(&爆笑)してました。やっぱり「便利さを追求」って言うと物質的な感じでネガティブなイメージも与えてしまいますが、徹底したサービス精神は胸を張って世界に誇ってもいいんじゃないかと思います。

 

で、オークランドに帰ってきてからなんですが、息子の学校からのお知らせメールを読んでいてふとある重要なことに気付きました。

今Year 8の息子は今年が今の学校(primary school)の最終学年で来年の1月からはsecondary school(high school、college、grammar schoolなどとも呼ばれます)に進学することになっているんですが、なんと願書(enrollment application)の締切が帰ってきて2週間後だったのです!あぶねー、ボーっとしてたら締切逃すところでした。。。

2週間あったので提出書類の準備など期間的な問題はなかったんですが、一番の問題はどの学校に進学させるか全く決めてなかったこと。7月の週末なんかにちょっと候補の学校を見学しには行ってましたが、どの学校も広大な敷地完璧なまでに芝の手入れがされたラグビーやらサッカーやらのグラウンドが何面も延々と続くような素晴らしい環境(ちなみに運動に興味がない息子は全く関心なし)で甲乙つけ難く、逆に校風なんかは噂に聞くものの息子に合う・合わないなんて通ってみないとわかんないし、さてどうしよう?という段階で止まっていたのです。

 

オークランドの公立校、特に「いい地域」とされているsecondary schoolは学区(school zone)の縛りが非常に厳しく、domestic studentだと「どこに通わせるか?」で「どこに住むか?」を決めなければなりません(学区外入学だと抽選制)。

その学区に願書提出前の最低6ヶ月は住んでいることを証明したり、賃貸だと入学初年度をカバーしている固定期間賃貸契約書を提出させられたり、よく考えてみると今のフラットから引っ越して他の学校の学区に移り住むのであればもっと長期的な計画が必要だったのです。

ただそうなると話は簡単で、うちは私立に行かせる余裕はないので今のフラットに住み続けて、息子にはここが学区に入っている学校に行ってもらうしか選択肢はありません。幸運なことにその学校は比較的いい学校なので、勉強は超厳しいらしいですがなんとか死ぬ気でサバイバルしてもらうことにしましょう。←まるで人ごと

 

ということで願書は期限前に無事提出を終えましたが、実は同じ時期にもう一つ予期せぬ事態が待っていました。

永住権の必要書類を添えた最終申請は8月初旬に完了していましたが、実はほぼ2ヶ月経った今もまだ移民局の担当オフィサーにアサインされていないのです・・・一応書類をチェックする担当者の人から「あなたの書類は今待ち行列の中に入っており、オフィサーにアサインされるまでに通常は8~10週間程度かかります」というメールはもらっていましたが、まさか本当にそんなにかかるとは思ってませんでした。

僕のワークビザ(Graduate Job Search Visa(現在の名称:Post-study work visa (open)))の期限が切れるのは今年の10月11日でした。その時点ではあと残り約1ヶ月でしたが、オフィサーにアサインされた後もどのくらいのスピードで処理が進むのか未知数で、失効日までに永住権が発行される保証はありませんでした。妻のワークビザも息子の学生ビザ(domestic status)も僕のワークビザに完全依存しています。

ワークビザが切れると当然のことながらいかなる理由があろうとも働くことはできないどころか、ニュージーランドに滞在することすらできません。息子は学生ビザを更新することができますが、僕のワークビザという後ろ盾がない息子の学生ビザはinternational student扱いとなり、またあの法外な授業料を払わなければなりません。申し込みをしたばかりの進学先のsecondary schoolでも問題になることは確実です。

 

3人分のビザ更新費用は合わせてNZ$800近くという大金になりますが、こんなところまできてリスクを取るわけにはいかないので、日本からの帰国後は泣く泣くビザ更新のための書類を揃えてました。

 

僕の場合はビザを取ってから就職までに時間がかかったこと、たまたまこのタイミングで息子の進学を決めなければならない学年だったこと、など巡り合わせがよろしくなかったこともありますが、就職してもポイントが足りないといった理由などで「Graduate Job Search Visa(現在の名称:Post-study work visa (open))の後すぐに永住権ではなくワークビザ」になる人もいるかと思います。

 

そんな方のために、次回は今回行った「ワークビザの延長」について少しまとめておきたいと思います。

 

(続く)