移住コラム第13回:移住後にすること一覧

前2回で家、車と大物について書いたので、今日は少し細かく渡航後に行う各種手続きについてまとめておきたいと思います。

まず非常に重要な前提ですが、様々な手続きを進めるにあたり「ニュージーランドでの住所が定まっていること」が必要になるケースが多く発生します。我が家の場合は1週間の視察旅行を行いましたが、息子のPrimary School訪問が主目的だったため不動産屋さんを回るような余裕はありませんでした。たとえもう少し余裕があったとしても、最初の家を決めるまで結局3週間かかったので、視察旅行中に気に入った物件を見つけられる可能性は低かったと思います。

なので、僕のように家が決まってない状況で入国した場合最初にやることは住所を定めること、と考えておいてください。

 

【医療保険】

永住権保持者になるとニュージーランドでは医療費は無料になります(公的健康保険という考え方自体ありません)が、それまでの間は民間の医療保険で予期せぬ病気・怪我による出費をカバーしておく必要があります。また、永住権を取得しても無料の公的医療を受けるためには長期間待たされたりすることもあるので、民間医療保険で私立病院などで発生する実費をカバーできるようにしておくこともできます。

学生ビザで渡航する場合、小学校でも専門学校でも入学条件で医療保険への加入が必要とされているところがほとんどだと思います。ニュージーランドだとUnicareという会社が学校と提携しているケースが多く、多くの留学エージェントが代理店になっています。僕もエージェント経由で申込みました。

Unicareの場合は医療保険だけでなく「旅行保険」としての保障内容になっているので、日本にいる間に手続きを行い、出発当日を開始日としておくことをお勧めします。飛行機で移動中の荷物や、予期せぬやむを得ない理由により乗り換え便を乗り過ごしてしまった際の費用などもカバー範囲になります。さらに、ハイジャックにあったり誘拐された時の身代金までも!そんなもんいらんから保険料安くしてくれ...という感じもしますが、日本の保険会社の旅行保険より断然安いはずです。

あとすみません、今回は「移住後にすること一覧」というタイトルですが、これだけは「出国前にやっておくこと」でしたね...

 

【GP登録】

ニュージーランドはGP(General Practitioner:一般医)・SP(Specialist Practitioner:専門医)制度があるので、病気の時はまずGPに診てもらいます。専門医による診断が必要と判断された場合には、そのGPからSPを紹介してもらうという仕組みです。正確に言うとGP登録できるのは永住権を取得した後ですが、上記の医療保険でもSPに観てもらう時は必ずGPから紹介してもらうこと、と条件が付されていることがほとんどです。家の近くや信頼がおけるGPの評判を調べて、予めどこに行くか決めておきましょう。

 

【銀行カードのアクティベーション】

僕は出国前に既にANZの口座を持っていましたが、バンクカード(デビットカードのEFTPOSが使える)は現地にいないと入手できないとのことだったので、日本にいる間に手配をしておき入国後すぐに支店に行って直接受け取りをしました。その際、PINナンバーと呼ばれる4桁の暗証番号を設定してカードをアクティベートすることでカードがその場ですぐ使えるようになります。

銀行口座の重要性はそれだけではありません。住所が決まったらまず最初に銀行に住所変更届けを出しましょう。その後窓口ですぐ新住所での残高証明をもらっておけば諸々の手続きの住所証明として使うことができます。

 

【運転免許】

前回「運転免許@ニュージーランド」の記事で日本の運転免許切り替えのことを書きましたが、この申請時に住所の証明となる書類の提示が必要になります。番号が手書きされた紙切れをテンポラリーの免許として交付されるのでそれで運転はすぐにできるのですが、正式な免許証は自宅に郵送されてくるため実際に住んでいる住所が必要になるのです。

 

【自動車保険と家財保険】

自動車保険はニュージーランドで自動車を所有している人だけが対象ですが、ニュージーランドでは日本の自賠責保険に相当する自動車保険が存在しません。これはACC(Accident Compensation Corporation)という組織が事故当事者の治療費などを補償してくれる制度になっているためです。そのため、自動車保険は対物と自損のみが対象になります。

借家の場合は通常大家が火災保険に入っているので日本のように借主の火災保険加入を義務とするような慣習はありません。が、その保険では火事などによる家財の被害はカバーされないので、うちのように家具なしの物件を借りて家電製品や家具を全部揃えた人は家財保険(Contents Insurance)に入っておいた方がいいかもしれません。ニュージーランドは結構空き巣も多いので、家財保険はその被害もカバーしてくれます。

どちらの契約も当然のことながら住むところが先に決まっていることが大前提です。

 

【在留届】

3ヶ月以上海外に滞在する場合必須ですが、住所が決まったら外務省のホームページから在留届を登録しておきましょう。災害時の安否の確認、緊急連絡、救援活動などがスムーズに行われるようです。
たいして時間もかからないので、サクっとやっておきましょう。


こうして書き出してみると、入国してからの手続きというのは意外に少ないです。戸籍や住民票もないので「役所」に行く用がほとんどないんです。こういうところからも「小さな政府」による無駄を省いた行政の姿を垣間見ることができますね。

 

(続く)