こうして家族と新天地ニュージーランドで19年ぶりの無職学生生活を満喫しながら、2012年9月末に都合9ヶ月通った専門学校を予定通り卒業しました。なんとか最終課題だったファイナル・プロジェクトも期日に提出し、晴れてニュージーランドの「Level 6 Diploma」という資格を取得したのです!
クラスメートに日本とフィリピンからの経験豊富なプログラマーが二人いたので成績優秀賞(Academic ExcellenceとかMeritと呼ばれます)は彼らに持っていかれましたが、僕は元々専門ではないプログラミングで職を探すわけではないので、ディベロッパーとして今後もやっていく彼らのCVに泊が付くのなら、と喜んで持ってってもらいました。まー実は本当にプログラミングって向いてなくて、どんなに頑張ってもセンスがある人の足元にも及ばなかっただけですが・・・
ということで、この時点では永住権取得までまだ長い道のりが残されていましたが、キリがいいところなのでこの「専門学校留学から永住権取得」というプランのポイントを簡単に振り返ってみます。
まず、オークランド視察旅行中に決意を固めた時のコラムで書きましたが、このLevel 6のDiplomaコース卒業でオープンワークビザ(正式にはGraduate Job Search Visaと言います)を取得できる制度は僕の入学を最後に廃止されています。
現在1年間のコースで同じオープンワークを取得するにはLevel 7である必要があり、逆にLevel 4~6のコースであれば2年間学校に通う必要があります。僕が卒業したAMES I.T. Academyには現在Level 7のコースはありませんが、他のIT専門学校でLevel 7 Diplomaを取得できるところはいくつかあると思います。このオープンワーク取得が目的の場合は必要な年数とQualification Levelの関係には十分留意して学校を選んでください。
これも前に専門学校生活のご報告の最後で触れましたが、留学生はStudent Visaの規定で「週20時間のアルバイト」が認められているのでクラスの時間とうまく調整できれば日に4時間くらいの日銭は稼げる可能性はあります。ただし、IT系だとバイト代ははっきり言って「少しでも生活の足しなれば」といった期待はしない方がいいです。
就学中にバイトするメリットは
・NZで雇用された経験を得て、履歴書にそう書ける(結構重要)
・働きが認められればバイト先で卒業後フルタイムのオファーに繋がる可能性がある
ということに尽きます。このため、就学中は無給で経験を積ませてもらうという人も結構います。
僕の場合はまずクラスの内容に着いていくのがやっとで、セルフ・スタディーの時間を確保しようとするとバイトする時間的余裕なんて全然なかったので、結局卒業までバイトすることはありませんでした。
あと、プログラミングやネットワークなど専門学校の履修内容と同じ職を卒業後に探す場合であればバイト先やインターン先はいくつもありますが、僕はオープンワークビザをもらうためだけにプログラミングのコースを選択したのであって、就職先は今までの経験を永住権申請時にポイントとしてカウントできる「プロジェクトマネージャー」や「コンサルタント」でなければなりません。パートタイムのプロジェクトマネージャーなんてポジションの募集があるわけないので、きっと探すだけ時間の無駄だったというのもあります。
そういう意味では、今現職のソフトウェア開発者とかネットワーク管理者で、移住後も同じ職に就くために同系の専門学校に通うという人は就学中のアルバイトはチャレンジしてみる価値あると思います。ただし、家族で渡航している場合はバイトによって家族との時間がかなり削られてしまうので、パートナーさんやお子さんがまだサポートを必要としている時期は無理しない方がいいかもしれません。
当初の目論見では卒業までに就職先を確保して、ジョブサーチビザをすっ飛ばして普通のワークビザを申請するイメージトレーニングしてたんですが、正直現実はそんなに甘くありませんでした。
実際卒業直前に少しだけ大手のリクルート会社にあたってみたんですが、一緒に行ったクラスメートのプログラマーは話を聞いてくれたリクルーターがすんなりエージェントになってくれたのに比べて、僕への対応は同じリクルーターなのに極めて冷たいものでした。そのリクルーターによると
●オープンワークがもらえるといっても100%の保障はない(例えば健康診断で引っかかったり)ので、とりあえずビザが取れてからでないと話にならない⇒クラスメートも同じステータスなのにあんたエージェントになってんじゃん!
●プロジェクトマネージャーだとNZでのプロマネ経験がないと厳しい⇒その経験積むために就職活動してるんだって!
●専門学校で学んだこと(プログラミング)がプロマネ職に直接活かせるわけではないので、1年職場から遠ざかってるのはデメリットになる⇒だから専門留学の道しかなかったんだから仕方ないじゃん!
ということらしいんです。オイオイ、えらい逆境じゃねーか・・・
ちょっとショックでしたが、でも現在自分が置かれている状況がどうなのかがわかったのでエージェント訪問してよかったと思ってます。リクルーターはその1社だけじゃないんで言われたことを全部鵜呑みにするほど悲観的にはなりませんでしたが、上記のように考えるリクルーターやNZの会社がある、ということを知っておくのも戦略を練る上では重要だったと思います。
まずは最初のポイントである「オープンワーク取ってから」をクリアするために、卒業式後に早速イミグレでオープンワークビザの申請をしました。次回はこのワークビザの申請手続についてまとめてみることにします。