移住コラム第8回:出国準備(ビザ編)

さて、ここからは日本の出国をする時の準備についてまとめていくことにします。僕自身ニュージーランドに移住された方が綴ったブログなどを参考にさせてもらってすごく役に立った経験があるので、このコラムが今後同じように海外移住を志す方々のお役に少しでも立てれば嬉しい限りです。

準備作業は大きく分けて以下の3つにまとめようと思います。

  1. ビザ関係
  2. 引越し関係
  3. 手続き関係


今日は最初の「1) ビザ関係の準備」についてです。

留学エージェントのような会社に頼めば有料でビザ申請代行やサポートを行ってもらうこともできますが、僕のケースでは帰国後1週間で3人分のビザ申請を完了するという時間的制約から、全て自力でやることに決めました。いくら手続きに精通しているプロでも1週間という短時間では間に入られることによるタイムロスの方が大きくなってしまうからです。

ビザについては各国でルールや条件が異なりますが、この条件はどの国でも頻繁に変更されるのが常です。必ずその国の所轄省庁(Immigrationなど)で最新情報を確認するよう注意してください。
ここでは今回僕が経験したニュージーランドの学生ビザについて説明していますが、欧米であれば他の国でも似たような手続きが必要になってくると思うので何らかの参考にはしていただけると期待してます。

●学校からのオファーレター
学生ビザなので、渡航先の国で学生やりますよ、という証明が求められます。ニュージーランドでは「offer of place」と呼ばれていて、入学する予定の学校から発行してもらう必要があります。
発行には当然のことながら学費の払い込みが必要で、振込先を学校から入手して海外送金実行、入金を確認してもらったら入金レシートオファーレターをもらいます。
学校によっては語学力の証明(アメリカなどではTOEFL、イギリス/オーストラリア/ニュージーランドなどではIELTS)や過去の英文成績証明書が必要となる場合があります。僕は運良く両方とも手元にあったので帰国後即座にスキャンしてメールできましたが、もしない場合はどちらも結構時間がかかるので余裕を見て準備しておかなければならない項目でしょう。
特に語学力の証明は基準に満たない場合のスコアアップにそもそも時間がかかりますし、受験申込締め切りから受験日までの期間、受験日からスコアが送られてくるまでの期間を総合して計画しておかないと痛い目に遭います。TOEFLもIELTSも受験料がかなりお高いので、何度も受けて一番いいスコアを提出!というわけにもいきませんからね~。

●健康診断
ニュージーランドの場合は移民局の指定医(panel doctor)でNZ1007という決められたフォーマットの診断書を書いてもらう必要がありました。都内にもいくつか指定医があり、費用は大体2万円~3万円といったところです。検査自体は空いてれば数時間で終わることがほとんどですが、結果が出るまで最低1週間かかります。
実は妻と息子は視察旅行前に健康診断を受けていたんですが、僕の学生ビザ取得は旅行中に急遽決まったので帰国時点では未受診でした。これがビザ申請のクリティカルパスになることは予想できてたので帰国翌日にすぐ受診し、1週間後に結果を受け取った足で直接大使館にビザ申請に行きました。

●無犯罪証明書
ニュージーランドの場合は2年以上滞在することが決まっている場合必要なのですが、ビザの期間は通常学費を払い込んだ期間だけ(=1年以内)なので僕の場合不要でした。取得する時は警察署に発行を依頼することになります。
海外で永住権やワークビザを申請する際はどの道必要になる書類なので、その場合は日本領事館経由で取り寄せることができます。ただし、海外からの取り寄せは通常最低でも2ヶ月程度かかるとのことなので、卒業前などは早めに準備をしておきましょう。

●滞在資金証明書
学生ビザやガーディアンビザでニュージーランドに滞在している期間「生活していけるだけの資金がありますよ」という証明です。航空券が往路だけの場合、これにプラスして復路の航空券が買える資金力も積み増す必要があります。当時のレート(@¥60)で一人一年あたり100万円(うちは3人なので300万円)くらいの「見せ金」があればいいのですが、初年度は買う物が色々あるので実際はそんなもんじゃ全然足りないでしょう...
英文残高証明はメガバンクだと即日で発行してくれました。家計は一つなのでそれぞれの名義にする必要まではなかったのかもしれませんが、振替の手間を惜しんで後で問題になるとやっかいなのでガーディアンの妻と学生の自分は別々の口座から残高証明を取得しました。

●戸籍謄本(英語版)と委任状
戸籍謄本は息子とガーディアンである妻の関係を証明するためだけに必要だったので通常学生ビザ自体には関係ありません。この手の公の書類の翻訳はちゃんと翻訳会社を通して証明書を発行してもらう必要があるので数千円のコストがかかりますが、どの会社も2、3日でやってくれるみたいです。
委任状は今回僕自身も一緒に渡航するので必要なかったかもしれませんが、両親のどちらかが日本に留まる場合は必要なようです。まー本当に一文だけだったのでかなり適当な英語でペラ一枚作りました。

●ビザ申請フォーム
学生ビザ、ガーディアンビザ(ビジタービザ)共にニュージーランド大使館のHPからダウンロード可能。上記の書類が準備できていて普通に英語が読めれば記載が難しい部分など特にありません。


以上が主要な必要書類で、これにパスポートと顔写真2枚を添付して大使館の窓口に提出。
パスポートはコース終了後3ヶ月の有効期間が残ってないといけないのでご注意ください。

※2012年10月から日本のニュージーランド大使館のビザセクションはなくなり、ニュージーランドビザ申請センターというところにアウトソースされています。

実際やってて一番大変だったのが、息子の小学校とのやり取りでした。
未成年の申請者は「宿泊証明書」なる書類が必要と大使館のHPには書かれているのですが、まだ住む場所が決まってない以上そんなものは出せません。
その場合、オファーレターに「Accommodation Guaranteed」のような文言を入れてもらえれば事足りることがわかったので事情を校長先生に説明してその旨依頼していましたが、さすがキウィ!最初にもらったレターにはそんな文言一切ないし期間も金額もわからないという不備だらけでした...
ビザ申請後に差し戻しとなるリスクはどうしても避けたかったので、こちらでビザの要件に沿うよう内容を全部書き直し、それに先方のサインだけしてもらうことで事なきを得ました。まー、ある程度予想してたので焦ることもなかったですが。(笑

こうして11月1日にビザ申請書類一式を提出し、不備もなかったため予想より早く2週間くらいで3人分全てのビザを手にしました。出国のための格安チケット(=日程変更不可)も手配が済んでいたため、ギリギリまでビザが手に入るのかヤキモキしながら待つ、というプレッシャーから早々に開放されてそれ以外の準備に集中できたのはラッキーでした。

 

(続く)