前回「NZの教育(準備編)」という記事で息子の補習用に買ったYear 3の国語(ニュージーランドなので英語ですが)の問題を一つご紹介しましたが、今日はその時一緒に買った数学の本の内容についてです。息子は今Year 7ですが、小学校レベルの単語をほとんど知らない状態なので、2学年下のYear 5(小学校5年生相当)の問題集を買いました。なので、数学というよりまだまだ算数といった感じです。
実は算数で使う単語については最近英語コラムの方の「英語の幅を広げよう!」というテーマで2回に渡って以下の2つの記事をクイズ形式で書いてました。
3-4:算数の時間です!その1・・・四則演算
3-5:算数の時間です!その2・・・図形
わざと難しそうな単語を集めたので全部知らなくても当然ですが、この時買った問題集にもパラパラと出てきてます。
算数の出題形式はパターンがあるので、何度も似たような問題を解いて慣れていくと内容自体は日本の小学校の方が多少進んでいるため楽勝です。覚えるのが大変そうな図形関連の単語も、このパターンがつかめるといい確率で推測が当たるようになります。
それでも、問題の言い回しが日本人にわかり難かったり、あまり日本の算数で問われない角度からの問題だったりすると、小学5年生の算数と言えども手強いものもあります。問題集の中からそのような問題をいくつかピックアップしてみました。英語コラムでもやったみたいにクイズ形式にしてみますので、英語に自信のある方はチャレンジしてみてください。
Q1. How many tenths in 23.56?
Q2. Round off 1654 to the nearest hundred.
Q3. What is the time 10 minutes after 5 to 11?
Q4. What is the value of 4 in 2487?
Q5. A regular polygon has six axes of symmetry. Name this shape.
Q6. What is the minimum number of coins for $2.65 change?
答えと解説はこちら。↓
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A1. 5
「tenth」という序数は10分の1=0.1=小数第一位、なので答えは5になります。
A2. 1700
四捨五入は「round off to ~」も「round to ~」もどちらでもOKです。日本語では「10の位を四捨五入」と言いますが、こっちだと「100の位に四捨五入」と言うのが普通みたいです。
Q1にあるように小数点以下の位は序数(ordinal number)になりますが、小数点以上の位は「hundred」のように基数(cardinal number)が使われます。
A3. 5 past 11 (11:05)
一瞬「時計の読み方なんて保育園で済ませてるだろ!」と思ってしまいますが、買った問題集では5年生でもまだ出てきてますねー。でも、甘く見てはいけません。「5 to 11(11時5分前)」とか「5 past 11(11時5分過ぎ)」って時と分の順番が日本語と逆なので、この問題も「5時11分前」って勘違いしてた人も結構いるはずです。
A4. 400
こういう問題は日本の小学校で出題された記憶がありません。問題がわからないというより、何をどう答えればいいのか迷う問題です。
A5. hexagon
問題は「ある正多角形(regular polygon)には線対称の軸(axes of symmetry)が6本ある。この図形の名称を答えよ」という意味です。対角線(diagonal)の数ではなく、線対称の軸の数から何角形か当てさせる、という問題形式もあんま見たことないですよね?
ちなみに、X角形の対角線の数って「X(X-3)/2」って公式があるのご存知でしょうか(僕は全然知りませんでした)?中学受験とかやってる子だと余裕で知ってるのかなー?
A6. 1×$2、1×50c、1×10c、1×5c
これ、息子と答え合わせしてて問題自体に間違いを見つけました。っていうか、問題が古いっていう方が正確なんですが、このコラムの「第15回:NZのお金」という記事でニュージーランドでは2006年に5c硬貨は流通廃止になったと書いた通り、change(小銭)に限定したこの問題は今や成立しないんです。
どうでしたか?文章題は英語力がある程度必要になってくるので息子はレベル別の一番下のクラスに最初入れられました。計算問題はYear 7になってもびっくりするくらい簡単な四則演算をやらされてたみたいです。それでさえも算数が苦手な子は間違うし、答えを出すまでの時間も恐ろしく長くかかる、って日本で算数が得意だった息子は呆れてました。クラスの中でも概してアジア系の子(中国人や韓国人)は算数が得意みたいなので、是非彼らを良きライバルとして得意分野を伸ばしてもらいたいところです。