移住コラム第27回:オークランド職探し(番外編)

3回にわたってオークランドでの一連の就職活動についてまとめてきましたが、一つ書き忘れたことがあったので番外編ということで追記しておきます。

日本でも外資系に勤めている人や海外勤務の経験がある人などでたまに見かけますが、日本語の名前(ファーストネーム)以外に「英語名」を持っている人がいます。この英語名にするかどうか、就職活動を始める前の計画段階で決めておいた方がいいです。

残念ながら「絶対英語名にすべき」というほど単純な話ではありません。オークランドはコスモポリタンな街でもあるし、名前は自分の国や文化を背景にしたアイデンティティなのだから大切にしなさい、とアドバイスしてくれた人も何人もいました。実際他の西洋諸国に比べても積極的な移民政策と原住民だったマオリの存在のおかげで人種構成は随分多様化されているので、ニュージーランドは聞き慣れない名前に対しての許容度は高いと思います。

ただ、4音節以上の日本語名はキウィにとって日本人が思う以上に発音困難ですし、僕の知り合いの韓国人、中国人のほとんどはもっと短い名前でもキウィが発音できないからとの理由であえて英語名を使っています。英語だと別の変な意味になってしまう名前(例えば彩子:Saikoがpsychoと同じ発音とか)だと英語名にしたいと考える人もいるでしょう。

許容度が高いとは言えやはりキウィにとって馴染みの薄い名前は発音しにくい覚えにくいというのは事実ですし、就職活動では外国人/移民であることを応募する段階で悟られないようにするため英語名でカモフラージュした方がいいと言うリクルートエージェントやキャリアコンサルタントもいます。スタバのようなカフェで「時間かかるから名前をカップに書いておいてできたら呼ぶわ。お名前は?」というシステムだった時、何度も何度も名前を聞き返されて、終いにはスペルまで言わされた経験を海外でしている方は多いと思いますが、英語名だとだいたい一発でOKです。

 

日本人が英語名を付ける時のやり方には2通りあると思います。

1) 長い名前を短縮する

Hiroyuki」という4音節の名前を「Hiro」にする、といったやつです。短縮した後の名前が英語名っぽくないこともありますが、「Hiro」のように別の単語(hero)と似た発音になって逆にインパクトを与えることもあり、しかも短縮前に比べるとずっと覚えてもらいやすくなります。

インド人にも長~~いファーストネームの人が多いのでよくこの短縮名を聞きます。昔の同僚で「Jayachandran」というやつは「Jay」、「Suriyanarayanan」ってやつは「Suri」で通してました。

少し気を付けた方がいいのが、短縮した結果、変な英単語と同じような発音になってしまう時です。「Daisuke Matsuzaka」を下手に「Dai Matsuzaka」にしてしまうと、自己紹介で「松坂、死ね!」って言ってるように聞こえてしまいますからね・・・

 

2) 完全に英語圏の人っぽい名前にする

日本で最初に転職した外資の会社でExpatのアメリカ人に「Mariaはどこだ?」って聞かれて、そんな名前の社員は聞いたことなかったので上司に尋ねてみると「シゲコ」というとても昭和の香りがする名前の女性がアメリカ人には「Maria」と呼ばせていたことが分かりました。

その時は「シ・ゲ・コ←→マ・リ・ア。。。一文字も合ってねーじゃねーか!!!」と思いましたが、英語名を付ける時はまーだいたいそんなものです。

こんなリストからその国でポピュラーな、通りが良さそうな名前を選んで付けるんですが、本名と最初の音を合わせようとか画策すると苗字とのリズムが悪くなったりするのであまりそこにこだわらないのが吉だと個人的には思います。

ただ、自分が得意でない音(特に子音)が混ざった名前は避けた方が無難です。例えばRとLの発音が区別できない人が「Ralph」とか付けても「この人は自分の名前も発音できないの?」と思われちゃいますから。

 

僕の場合、以前ロンドンに出張で9ヶ月いた時はファーストネームを本名で呼んでもらってました。そんなに長い名前ではなかったので日本人じゃない人達にも比較的ちゃんと覚えてもらえてました。

で、転職した2社の外資系ではどちらも、外国人からもいつのまにか-san付け苗字で呼ばれてました。お客さんが日本人だと基本「さん付け」になるので、社内と社外の統一という意味では良かったと思います。日本で外資系に勤めている外国人だと日本の文化も結構わかってるので違和感なかったみたいです。

今回は最初本名で就職活動を始めましたが、あまりにも応募への反応が悪いので途中から「Jake」という英語名に変えることを真剣に考えました。が、すでに本名で作ったCVを大手エージェントにいくつも送ってしまっているし、連絡用のメールアドレスも「本名@gmail.com」にしてて新しいアドレスと二重管理にするのは混乱するし、LinkedInやSeekのプロフィールを変える手間もあったので諦めました。

なので、もし英語名にするのであれば就職活動に関連するものは最初から徹底的にその英語名で統一しておきましょう。

 

(続く)