英語コラム第10回:メールはシンプルが一番

英語コラムの第2回のときにメールのことを取り上げたので、今回は主に職場で使う英文ビジネスメールについてお話したいと思います。
 

このコラムの中では日本語で「メール」と書いていますが、英語ではほとんどの場合「E-mail / email」のようにElectricの頭文字であるEを付けます。「mail」と書かれる場合もなくはないですが、通常これは手紙などの郵便物を指します。大文字/小文字、ハイフンあり/なし、どのパターンでもOKなので自分のスタイルを決めて統一感を出しましょう。僕は常に小文字・ハイフンなしの「email」を使うようにしてます。

なお、郵便物の「mail」は集合名詞なので不可算ですが、「email」は可算名詞として使われるケースが増えています。動詞としても使えるので

 

I will email the document when I get back to the office.

 

と言ったりしますね。

 

あと、携帯メール(SMS)は海外だと「text」と呼んで「email」とは区別されています。こちらも名詞、動詞、どちらの使い方もありです。

 

今ではビジネスでメールによるコミュニケーションは必須となりましたが、日に何十通(場合によっては何百通)という数がインボックスに入ってくる人もいるので、通常の文章以上にメールでは「簡潔に」を心がけないといけません。これは英文に限ったことではありませんが、英語という言語は冗長性を非常に嫌う傾向があって省略や代名詞による置き換えを多用するので、これをマスターすれば非常にシンプルですっきりした内容にすることができます。

 

以下はほんの一例ですが、社内でのやり取りでよく目にする文章です。


1) Noted.
日本語で『了解しました』の意味です。外資にいた時はシンプルで気に入ってたので結構多用してました。「Well noted.」という形でも使われます。「Your request has been noted.」という意味です。

2) Will do.
上と似てますが、何かを依頼された時に『やっときます』みたいに使います。「I will do it.」の略だと思われます。「He / She will do it.」の代わりに使うとか勝手に人がやることにしてしまうと後でやっかいなことになるので自分がやる時だけにしておいてくださいね。(笑

3) I'll test it tomorrow and the day after.
特に仕事上で、というわけではないですが、外資系で働いていた当時実際に書いたメールの中の一文です。
「the day after tomorrow」にすると「tomorrow」という単語が2回出てきてタイプが面倒なので省略しました。
 

 

言うまでもありませんが、全てのコミュニケーションは相手にこちらの意図や思いが確実に伝わることが大前提です。その上で、最初のうちは「この文/フレーズ/単語を省略しても意味が変わったり誤解を与えたりしないか?」を常に意識し、省けるものは省いてみてください。

 

日本語のビジネスメールで多用される『いつもお世話になっております。』や『以上、よろしくお願い申し上げます。』などは英文にするとほとんど意味を成さない形式的なものなので、ばっさりなくしてしまいましょう。最初に書く宛先の人の名前の後は単刀直入に本題に入るのが普通です。本文の締め方はリズムを作る上で少し工夫が必要なので別の機会にこのカテゴリーで取り上げようと思いますが、『よろしくお願いします』的な定形文ではなく、書いている内容によって適宜変えるのが自然かと思います。