英語コラム第27回:頭痛が痛い – 英語の冗長性

よく日本語の冗長な表現の代表として

頭痛が痛い
馬から落馬する

というフレーズが槍玉に挙げられます。

英語でもこれに似た、誤っているとされる冗長表現(redundancy)がいくつかあります。

Could you repeat that again?

Please fill in the form and return it back to me.

 

日本語でも英語でも、上記の例はまだはっきり「冗長だ」と認識されるものです。

が、冗長性も突き詰めて考えるとグレーだったり、明らかに正しいと認められているものも多くあります。

 

まず日本語から。

犯罪を犯す/まだ未熟/食事を食べる/楽観視

これらは全て、言葉尻だけを捉えると冗長です。でもほとんどは慣用的に使われていますし、違和感を感じません(ちなみに「違和感を感じる」も冗長)。

英語でも、他動詞なので前置詞なしで目的語を取れるのに、あえて前置詞を使う用法があります。

The politician continued on the path of reform.
Please print out all the pages.

考えてみると、主語が「He」なのに動詞を「go」から「goes」にするといった文法も冗長と言えば冗長です。英語はスペイン語なんかと違い主語を省略することが一部の例外を除き原則ないので、効率を考えると主語によって動詞が変わる三単現は「なくても混乱しないもの=なくすべきもの」になってしまいます。が、そんなことで

日本語も英語も、冗長性があることで表現の幅が広がることが少なからずありますので、少し寛容になってみてあげてくださいね。

(´∀`)