英語コラム第20回:Punctuation:ピリオドの使い方

英文ライティングの2回目は、ピリオド(.)です。

めずらしく何の前置きもなく、早速本題に入りましょう...

 

読み方色々

日本では「period」という名称が定着していますが、これはアメリカ英語で、イギリス英語では「full stop」と呼ばれるのが一般的です。

また、文の句点としての意味でなく、「点という形状」を表す場合は「dot」と呼ばれるのもインターネットが普及して以降「ドット・コム」に代表されるように広まっていますね。

英語ではありませんが、日本のIT業界のオジサン世代は「ポチ」と呼ぶ人も結構います。はい、僕もオジサン世代なので多用してました。でも、「ポチ」って言い方、ちょっとかわいくありません?

period」は会話の中などで

I am not interested. Period!(しつこいお誘いなどに)
No comment. Period!(有名人や政治家がマスコミに対して)

ピッシャッと「この話はもうここまで、これで最後」と怒り気味に打ち切る時に名前がそのまま使われることもあります。


括弧/引用符とピリオド

ここで書こうと思ったんですが、括弧と引用符の中か外か?というポイントはピリオドに限った話ではないので、括弧と引用符の回で書こうと思います。


短縮語

句点としての目的ではありませんが、ピリオドは短縮語(abbreviation)や単語の頭文字を繋げた頭辞語(acronym)を表す際に使われます。「Mr.」や「The U.S.A.」なんかがそれですね。

アメリカ英語ではピリオドを付けるのが普通ですが、イギリス英語では「Mr」「Dr」などの敬称からはピリオドが省略される傾向にあります。「am」「pm」や、上記の「The USA」なんかもピリオドなしが結構あります。

で、ピリオドをつけるアメリカ式ですが、なんとなくルールらしきものが存在しそうです。でも、例外もたくさんあるので、結局覚えるしかなさそうですね...

※ アルファベットを続けて読むもの:「A.D.」「R.S.V.P.」「B.A.」・・・ピリオドありが多いんですが、「CIA」や「IRA」など組織名ではピリオドなしでスペられるものもあります

※ 発音が単語風になるもの:「AIDS(エイズ)」「NATO(ネイトー)」「UNICEF(ユニセフ)」・・・ピリオドなしがほとんどだと思います。ちなみに、「scuba」「radar」も元々この類で、それぞれ「Self-Contained Underwater Breathing Apparatus」と「RAdio Detection And Ranging」の略です

※ラテン語系:「i.e.」「e.g.」「etc.」「vs.」「a.m.」・・・ほぼピリオドありですかね?

なお、文章の最後が省略のピリオドで終わる場合は、句点のピリオドは不要になります。

例)Please make sure and bring paper, pencil, etc.


小数点

period」ではなく「point」と呼ばれますが、キーボード上は同じ記号を使うのでついでに小ネタを一つ。

日本では小数点としてピリオドが使われ、1000単位の桁区切りとしてカンマが使われるのが世界の常識と思っている人がほとんどだと思いますが、これ英語圏だけの標準なんです。フランスやドイツなど欧州大陸やその影響を受けている国(南米など)では逆になります。つまり、英米の「123,456.78」は

123.456,78

になるんです。

気持ち悪いなー、と思われるかもしれませんが、日本でも「ゼロコンマ1秒の差で・・」と言われるあたり、微妙に欧州大陸系の影響を受けてたりするんですよね。

あと、小数点がピリオドでもカンマでもどっちでも混乱しないように、桁区切りをスペースで

123 456,78

と書く場合もヨーロッパではあります。オーストラリアやニュージーランドの算数の問題集もそうなってました。

実はISOなどの国際標準を定める団体では欧州大陸式を採用しているのですが、英米式を採用してる国が一向に言うことを聞いてない、というのが今の現状みたいです。だとすると、日本もこの混乱を助長することに大いに貢献してるんですね...