英語コラム第16回:カタカナ英語のデメリット

このカテゴリー前回の「カタカナ英語のメリット」に続き、今回はカタカナ英語のメリットについてです。


発音上達の障害となる

外来語はローマ字を通してカタカナという日本語に取り込まれるので、どうしても「母音+子音」の組み合わせが強制されます。でも、英語では「子音だけ」とか「子音+子音」という音も数多く存在するため、それらの発音には対応できずカタカナ英語をそのまま海外で話してしまうと「通じない英語」、仮に通じたとしても「聞き手に負荷をかけてしまう英語」になってしまいます。

あと、日本語は母音と子音の種類が少ないので、英語の発音全てをカバーできません
例えば、英語の発音「B」と「V」はどちらも「バ行」で表されます。「L」と「R」が「ラ行」でしか発音できないのも同じです。

これらは「カタカナ英語の弊害」というより、「カタカナ発音の弊害」と言った方がよいかもしれません。


単語の意味が異なるため通じない

外来語は上述の通り、柔軟な日本語に取り込まれて立派な日本語の単語となるのですが、これを最初に取り入れた人が勘違いしたり誤った使い方をしたりすると、オリジナルの英語から意味が大幅に異なる単語として定着してしまうものがあります。

例えば、以下のカタカナ英語はどんなにきれいな発音で話しても、そもそも使われ方が間違っているため通じなかったり、誤解されたりします。右の単語がこの意味で使われる正しい英単語です。

⇒ 車の「handle」=steering wheel

⇒ やせてて格好いい「smart」=slim

⇒ 集合住宅の「mansion」=apartment / condominium


日本で独自に作った言葉なので通じない

この上のと合わせて「和製英語」と呼ばれる分野ですが、カタカナ英語だと格好よく聞こえるからなのか、多くの日本独自の英語が出来上がってしまいました。
やっかいなのは、いかにもネイティブが実際使っていると錯覚させるような、結構「作り方がうまい」単語が多い点です。

⇒ 「gasoline stand」= gas station(米)/ petrol station(英)
省略すると「GS」なのは米国の方だと同じだし、合ってると思っちゃいますよね。

⇒ 洋服の「order-made」= custom-made / made-to-order
正解の2つはどちらも良く使われますが、この2つそれぞれから一部取って引っ付けちゃったのね...

⇒ 車の「front glass」= windshield(米)/ windscreen(英)
今や世界No.1となった日本の自動車ですが、自動車関連用語は和製英語が結構多いですよね。

日本人独特の省略英語テレビリモコンなど)もこのカテゴリーに近いかもしれませんね。


結論

まずメリットで述べた通り、日本語には多くのカタカナ英語が取り込まれているため、英語を勉強する前から英単語に触れるチャンスに恵まれています

そして、ローマ字経由での取り込みなので、スペルを覚える参考にはなりますが、そのまま発音してしまうといかにもな「ジャパニーズイングリッシュ」になってしまいます。
このスペルと発音の関係は相容れないものだし、今更「アニマル」が「エアニモー」と修正されることはないでしょう。
だとすると、発音はカタカナからではなく、発音記号や耳にした音などから正しく覚えましょう。イントネーションもカタカナ英語と本当の英語では全然違うので、最初から「発音は違うもの」という意識で注意すればいいだけの話です。

最後に意味が変わってしまったり日本人が勝手に作った「和製英語」ですが、これはもう知って覚えるしかないです。すでに色々なサイトや本が出されているのでこのコラムで体系立ててまとめるつもりはありませんが、読み物として結構面白いものが多いと思います。

 

カタカナ英語の使えるところは使っちゃって、違うところは意識しておく。これだけで日本人における英語習得は随分と効率的になるはずです。