書き言葉のビジネス英語(メールやドキュメント)では、略語が頻繁に出現します。
最初に略語について定義しておきたいのですが、通常略語と呼ばれるものには以下の2つの種類があります
Abbreviation:長い単語を短くしたもの
⇒「approximately」を「approx.」と書くような場合はこちらです。
Acronym:複数の単語で構成される名詞の頭文字を取ったもの
⇒「National Aeronautics and Space Administration 」を「NASA」と書くような場合です。「頭辞語」という名称があるようですが、あまり浸透してないですよね。
今日のトピックは後者の「Acronym」についてです。
業界によってやたら略語を使ったり(IT業界は特にそうです)、同じ略語でも分野が違うと全然別の言葉の略だったりしますが、どこでも共通的に使われる一般的なものをいくつかピックアップしてみましょう。
1) ASAP
「as soon as possible」の略です。これは最もメジャーな略語かもしれませんね。英語では『エイ・エス・エイ・ピー』、または『エイサーップ』と読まれます。
2) FYI
「for your information」の略です。メールのタイトルや、文頭によく使われる『ご参考まで』です。『エフ・ワイ・アイ』というそのままの発音でわざと会話に使う人も結構増えてきました。
3) NA (N/A、n.a.)
「not applicable」の略です。『該当なし』、とか『当てはまらない』という意味です。
4) CC
メールではおなじみですが、元々は「carbon copy(複写紙)」の略で、そこからメールの写しを送る宛先に転用されています。
これは稀に動詞としても使われ、「I CCed this email to our manager.」というのもありです。
似た用法で、メールの転送(FWD=forward)を動詞にして「FWDed」というのも見たことあります。
5) RSVP
ブランデーの銘柄ではありません。
フランス語の「repondez s'il vous plait」の略で、『要返信』という意味です。「s'il vous plait」は英語に直訳すると「if you please」なんですが、なぜか「Please RSVP by the end of this week.」などとPleaseが冗長に使われることも多々あります。
ただ、これを仕事上自分で使ったことはありませんし、人が使っているのを見たこともありません。
6) e.g.
ラテン語の「exempli gratia」を略したもので、英語の「for example」です。
同じラテン語系だと「id est」を略した「i.e.」(=that is:すなわち)もよく使います。
しかし、フランス語だのラテン語だのの略語が未だに生き残っているところに英語の歴史を感じると同時に、英語学習者としては「勘弁してくれ・・・」という気分にさせられますね。