今日はTM Networkに色濃く影響を与えたと言われる元祖ビジュアル系イギリスバンドです。というか、TMNほとんどパクってたとしか思えません。
この曲は全盛期の80年代前半から少し下降気味になった87年のヒット曲ですが、まだDuran Duranらしさが残った活きのいいリズムとメロディーです。PVも結構好きかも。
さてこの曲、かなり難しい単語やフレーズが随所に出てきます。聴いたのは高校の頃だったので辞書を引きまくり、この曲のおかげで語彙が相当強化されました。ちょっと当時を思い出しながら、この時覚えた単語を拾ってみましょう。
まず曲名からして当時は未知の単語でした。「Notorious」。
「famous」は良い意味で有名ですが、こちらは悪い意味で有名、『悪名高い』ってやつです。
「famous」に否定の接頭語「in」を付けて「infamous」という単語があり、これも同じような意味になるのですが、発音は「インファマス」となり元の「famous」からかなり逸脱します。
といった具合に曲名だけで既にこの広がり方!
では最初(1番)の出だしから見て参りましょう。
I can't read about it.
Burns the skin from your eyes.
I'll do fine without it.
Here's one you don't compromise.
Lies come hard in disguise.
They need to fight it out,
not wild about it.
Lay your seedy judgments.
Who says they're part of our lives?
まず最初の「compromise」から。
意味は『妥協する』ですが、「~イズ」で終わる単語なのに「~ize」ではなく「~ise」になっているのはDuran Duranがイギリス人だから、ではありません。確かに「realize」や「organize」はブリティッシュイングリッシュでは「realise」と「organise」になります。
語源を辿ればわかるのですが、「compromise」は「com=一緒に」と「promise=約束する」がくっついてできた単語です。よって、発音は同じですが「~ize」という名詞を動詞化する接尾語とは無関係、というオチでした。
次の「in disguise」は『変装して』という意味です。嘘は最初は嘘とわからない、といった感じですかね。
「disguise」は『変装する』『装う』という動詞でもありますが、上の「compromise」と同じように「~ise」で終わってますよね?「guise」という単語を引くとこれも理由がわかります。
最後の「seedy」は『うさんくさい、イマイチな、怪しい』という形容詞で、果物などの種が多い状態から派生しています。種が多いだけでそんなにボロクソ言わんでも・・・という気がしますが。
しかし、「judgment」は日本人がなかなか使えない「lay」という動詞でも使うことができるんですね。これは今初めて気付きました。
続いて2番。
Girls will keep the secrets
so long as boys make a noise.
Fools run rings to break up
something they'll never destroy.
Grand Notorious slam.
And who really gives a damn for a flaky bandit?
Don't ask me to bleed about it;
I need this blood to survive.
最初の「run rings」は正直あまり意味がわかりません。
「run rings around」で『誰かに楽勝する(グルグル回りながら走っても勝てるから)』という意味ですが、歌詞のフレーズだと『愚か者は壊せないものを壊そうとして走り回る』という感じだと思います。
「flaky bandit」はあまり目にすることも使うこともないと思いますが、「flaky=あてにならない」、「bandit=たちの悪い奴」なので人を蔑む言葉ですね。
Duran Duranの曲の歌詞は行間読まないとわかり難いものが多く、僕のような洋楽歌詞解説者?泣かせなバンドなのでした。。。