今日のコラムで取り上げるトピックは「~に関して」を英語で言うと?という断然面白くないテーマです。
でも、ビジネス文章では非常に良く使われる言い方です。そして、良く使われるがために一つの文書の中に何度も登場し、毎回同じフレーズを使っていると「教養レベルが高くない」と受け取られる可能性もあります。
ということで、以下に例文付きでいくつもの言い回しを紹介しますので、覚えやすそうなものをいくつか覚えて使ってみて、語彙の数を増やしてください。
今回は微妙なニュアンスの違いなど気にする必要ありません。日本語でも「~に関して」と「~について」のニュアンスを気にして使っている人などいないのと同じです。
最も使われるのは「about」かと思いますが、少し気取った文章だと以下のような「regard系」と「respect系」が良く使われます。
Please provide us with information regarding the swine flu outbreak in Mexico and the United States.
(メキシコとアメリカにおける豚インフルエンザの蔓延についての情報をご提供ください。)
→これは「respecting」もありです。
→さらに「concerning」というのも。
→どれも「about」を付けてしまいそうですが、この~ing自体が前置詞なので不要です。
IOC approves consensus with [in] regard to athletes who have changed sex.
(IOCは性転換を行った選手に関する統一見解を承認した。)
→「with」も「in」も両方OKです。
→「regard」の代わりに「respect」も使えます。
As regards the governor's recommendations, we plan to act on them soon.
(知事による提言については、すぐに実行に移す予定だ。)
→更に堅い感じ。regardsと複数形になるところに注意。
→「regards」の代わりに「respects」も使えます。
こうして見ると、regardとrespectは完全互換ですね。
他の熟語だと
The new method seemed to be unacceptable in terms of additional cost to be spent for the equipment.
(装備のために必要となる追加費用に関する部分で、その新手法は受け入れられそうになかった。)
Further investigation is needed relating to the energy absorption.
(エネルギー吸収作用について更なる研究が必要だ。)
などもありますが、文脈によっては
He conducted research on competitors’ products.
(彼は競合他社の製品について調査を実施した。)
のように「on」や「of」といった前置詞だけでも「~に関して(ついて)」という意味になることがあります。
ここまではどれも「~に関して」の「~」の部分が名詞なので前置詞として働くものを集めてみましたが、どうしても文章(節)を続けなければならないときがあります。普通の平叙文であれば
Records are important in that they provide feedback for evaluating performance.
(業績評価のためのフィードバックを提供するという点に関して、記録は重要となる。)
という「in that」の使い方を知っておくと便利です。また「~」の部分が疑問文になっている場合は
Controversy exists as to whether smoking is a cause of lung cancer.
(喫煙は肺がんの原因かどうかについては意見が別れるところだ。)
にします。「as to」は前置詞として
He said nothing as to the time.
(彼は時間に関して何も言わなかった。)
のように使われることもあります。