英語コラム第15回:Life In A Northern Town (1986)

先日別テーマの「2-2:ブリットニースピアーズ的な」という回で「-y」や「-ish」を人名のような固有名詞につけて作る造語の形容詞のお話をしましたが、今日はその普通名詞バージョンです。

その前にちょっと曲紹介をしておきますね。
1986年にヒットした曲ですが、大ヒットとまではいかず、Billboardでは7位止まりでした。
でも、少し暗めのトーンと弱々しげなボーカルで歌われているのに、なぜか心が澄んでいくような美しすぎる、そして心地よく耳に残るアコースティック旋律で、個人的には大好きな曲です。

Life In A Northern Town by Dream Academy

さて、タイトルに繋がる歌詞のワンフレーズですが、2番の出だしの部分です。

They sat on the stony ground
And he took a cigarette out
And everyone else came down
To listen

stony」は見ての通り、「stone」という名詞に「y」を付けて『石だらけの』という形容詞にしたものです。
辞書にも載っていますし、この程度だとルール違反でも何でもありません。
他にも「watery」で『水っぽい』、「pricey」で『値段のはる』など類似の形容詞はたくさんあります。
 

そして、このパターンは名詞だけでなく、多くの動詞にも派生しています。例えば以下のようなものが代表的です。

pick picky好みにうるさい
choose choosypickyとほとんど同じ意味
talk talky口数の多い
chat chattytalkyと同じような意味
push pushy押しが強い
punch punchyパンチが効いた
kick kicky元気がいい、ワクワクさせる

 

ただ、最近はちょっとこれが行き過ぎる傾向にあるようで、無理矢理「-y」を付けて形容詞化する、日本語でいうところの『~的な』『~っぽい』という造語が増えてきています。

Christmassy」で『クリスマスっぽい』、「earthquaky」で『地震の多い』、といった用法も普通に会話レベルだと通じます。

面白いのは「iffy」というやつで

Now, you're in a very iffy situation.

という感じで使われます。『仮定だらけの』というところから生じて『怪しい』『微妙な』というニュアンスになってます。

さて、英語にはもう一つ形容詞を作るのに便利な語尾「-ish」があります。

boyish」や「foolish」といったあたりは「名詞を形容詞化する」という点において「-y」と大差ありませんが、「-ish」はなんと数字に付いて「約~個、人、才」「~時頃」という使われ方をするのです。

How many people are coming? - Twentyish.
How old is your brother? - He's thirtyish.
I'll be back at elevenish

 

なんかもう混沌としてきちゃってますが、元になる名詞や動詞は誰でも知っているものばかり。それに「-y」や「-ish」を付けるだけで一気に語彙が増えるんですから、ラッキーだと思うことにしましょう!