英語コラム第22回:添付資料の決まり文句

一見文法的に変なのに、昔から一般的に使われているメールの決まり文句があります。

Please find attached the presentation file for your review.

これは元々「Please find the presentation file attached・・・」のattachedが倒置されて位置が入れ替わったものと解釈できます。実際

Attached please find the presentation file・・・

という形も同じように高頻度で使われますが、このattachedが文頭に出される方がより倒置っぽいですよね。いずれにしても、attachedの位置が本来の場所より前に来ているので、どちらも同じ倒置文と考えるわけです。attachedの代わりにenclosedも良く目にしますね。

最初の方の文章はビジネスでメールを使い始めた頃に聞きなれないfindの使い方と相まってすっごくfunnyな感じを覚えました。findはseeでもOKです。

調べてみると、どうやらネイティブの間でも「古臭い」という人も多いようで、まだ会ったことのない人に送るメールであればこの書き方の方がいいけど、会社内の同僚同士だと

I've attached / I'm enclosing

の方が気さくでいいんじゃない?という意見もあるようです。米系か欧州系か、あと社風も大きく影響してきますので、周りでどういうトーンのメールが飛び交っているかを観察して合わせましょう。

もう一つ、最初に書いた文の最後にある「for your review」ですが、代わりに「for your perusal」というフレーズもよく目にします。「perusal」には『精読』という意味があるので、さながら『ご一読ください』のような感じでしょうか。

 

ところで、この「Please find attached the~」を本文中に書いておきながら、ファイルを添付するのを忘れてメールを送ってしまった経験、誰でもありますよね?僕は添付ファイルを忘れたことにすぐ気付いてすぐ「This time, with the attachment!」と小ボケのフォローメールを送っておきながら、そのフォローメールにも添付ファイルを忘れるという大ボケをかましたことがありました...

今までで一番気の利いた「添付ファイル忘れちった、ごめんね」フォローメールは以下のインド人の元同僚から送られてきたものです。

Sorry, I must have an attachment disorder.

「attachment disorder」は心理学的な病名で『愛着障害』、それを『添付ファイルがちゃんとしてなかったこと』という意味とダブルミーニングにしている、なかなか秀逸なジョークです。