このカテゴリーでは理解してもらいやすい英語の発音を習得するためにどんなことに気を付ければいいか?を中心に書いていくつもりですが、その前にいわゆる「カタカナ英語」について考えてみたいと思います。
僕がここで取り上げるのは「カタカナ英語」とか「和製英語」と呼ばれているものです。厳密に言うとこれらは別のカテゴリーなんですが、2回に渡るメリット、デメリットで両方について言及してみたいと思います。
和製英語というのは例えば車の「ハンドル」とか「フロントガラス」のように、本当の英語と使う単語が違っているため日本人以外に意味が通じない誤用を意味します。一方カタカナ英語は日本人が得意とする外来語の輸入により英単語がそのまま日本語の語彙に組み込まれたもので、例えば「コンピューター」とか、「ダイニングテーブル」のような単語、及びその発音を指し、広義では和製英語を含んでいます。
もっぱら悪役にされやすいカタカナ英語ですが、その功罪について考えてみました。特に、「功」の方については取り上げられているケースが少ないようですが、僕はカタカナ英語も満更悪い面ばかりじゃないと思うのです。今日はまずそのメリットから考えていきましょう。
●語彙力が強化される
日本語は非常に柔軟な言語です。カタカナの存在により、外国語をそのまま取り込んで日本語の語彙に加えている例は枚挙にいとまがありません。というか、カタカナ英語なしでは会話が成り立たないシーンも少なくないです。特に僕が身を置いていたIT業界。
パソコンでウィンドウを開いてドラッグ&ドロップしてください。
という文章を
個人用電子計算機で窓を開いて引きずり落としてください。
と言っても意思疎通できる気がしません…
中学校で英語を習い始めた時に「カタカナ英語になっている単語って特に意味を覚える必要ないので楽!」って感じたことありませんか?第二外国語を習うとわかりますが、第一外国語の英語に比べて覚えなきゃなんない単語が凄まじく多かったりします。
日本人はこの点において、他国で英語を外国語として学ぶ人より随分メリットを享受しているのです。
もう一つ例を挙げるとすると、中国語では上記の文章で出てくる外来のIT用語なども英語そのままは使われず、中国語名が都度作成されます。
Personal Computer = 個人電脳
Internet = 国際互聯網
Double Click = 双撃
今の専門学校のクラスに永住権持ちの中国人のクラスメートがいて一緒にソフトウェア開発を勉強しているんですが、彼はソフトウェアの情報は絶対中国語の文献には頼らず英語のものを参照すると言っています。欧米から入ってきた新しいコンセプトなので、全てが中国語になった情報ソースを読むのは2つの言語で新しいことを覚えることになり努力が倍になるから、だそうです。アジア言語の中国語に限らず、同じラテン語を源とするフランス語なんかでも対応するフランス語名が付けられていたりします。
こう見ると、英語を今勉強してる人も「日本人で良かったかも!」と思えるのではないでしょうか?
●スペルが覚えやすい
良くヤリ玉に挙がる「発音に対する悪影響」の裏返しとして、スペルを覚えやすいというのはカタカナ英語のメリットだと思います。
「animal」という発音は実際「エアニモー」という音に近いですが、こいつからスペルを起こそうとすると「eanimo」くらいにしかならないと思われます。
「アニマル」だと「animalu」くらいにまでは行き着きます。
当然ローマ字表記に近いスペルであればある程この法則が当てはまるので、逆にスペルがローマ字から離れてしまうとヒット率は下がります。
が、英語は発音とスペルの規則性が乏しい言語なので発音からスペルを推測するのは困難です。
なので、カタカナ英語から本当の発音はわかり難いですが、日本語になる過程の規則(スペルをベースにローマ字化してる)が分かってれば綴りを覚える役にはかなり立つと思うのです。
次回はカタカナ英語のデメリットと、その対処の仕方についてです。