英語コラム第11回:Everybody Wants To Rule The World (1985)

今日は1985年のBillboard No.1の曲ですが、当時日本でも街中で良く聞いたし、数年前になんかのCMソングとしても使われてたので知っている人は多い曲だと思います。

Tears For FearsはU.K.の2人組バンドですが、とにかく歌詞が難解で曲の主題を見つけるのが難しい人達です。曲調もなんとなく暗いのですが、同じく大ヒットしたShoutと同様、一度聞くと耳に残って離れないくらいインパクトのあるメロディーラインを作るんですよね。

Everybody Wants To Rule The World by Tears For Fears

フレーズ解説ですがこの曲構成が変わっていて、いままでのようにAメロ、Bメロという感じで説明できません...「Everybody wants to ~」がサビだとすると、曲の後半、ブリッジ⇒3回目のサビが終わった後の部分です。

I can't stand this indecision
Married with a lack of vision
Everybody wants to rule the world

下線部を見て間違いに気付きましたか?

そうです、中学校か高校で

●「marry」は通常他動詞として使われるので前置詞なしでmarryの直後に結婚相手が来る
(例)Will you marry me?
●結婚するという動作を表す「get married」は後ろに「with」ではなく「to」が来る
(例)Tom got married to Jane last year.
のどちらかであると習っているはずですよね?

それでは、歌詞の「married with」は文法的に誤りでしょうか?

答えは「まー、そんな目くじら立てるほどのことでもないかな」といういい加減な感じです。(笑

確かに、厳密に文法に準拠するのであれば変なんでしょう。でも、「to」を「with」にしてしまうのは日本人に限らずネイティブでもやりがちです。

あともう一つ、文章としては
I can't stand this indecision which is married with lack of vision.
とかかっています。つまり、indecisionとlack of visionが結婚しているわけです。
どちらも人ではないのでここの「marry」は比喩的に使われていることになり、『一緒になっている』くらいの訳になります。そうすると、人ではないのでなんとなく「with」の方が聞いていてしっくり来ます。類似の熟語で「coupled with」というのがありますが、使い方としてはそれに似てるイメージです。

この解釈はどの文法書を探しても出てこないので正しいのかどうか定かではありません。
が、単に教えられたことを覚えるだけではなく、こういう「感覚的」な捉え方を僕は大切にしてます。その方が英語を「感じている」気がするので。